幸福の味3(スマホ版)(二次創作風)
あれから私は幸せの絶頂にいた。
一人暮らしを心配してか、お母さんも
顔を見せに来てくれた。
お母さん、私もうすぐ結婚しちゃうかもね!
なんて、笑いながら。
別れが来るなんて考えてもなかった。
幸せなデートの帰り道。
いつもはすんなり受けてくれるデートの約束。
だけどその日だけは、二回断られて。
胸騒ぎがした私は強引に彼に約束を漕ぎ着けた。
その、次の日だった。
朝一番に知らされたのは彼の名前。
それは彼がこの国から
出ていってしまったという知らせ。
ううん、そんなはずはない。
だって彼と約束したもの。
必ず来るって、デートするって。
‥‥幾ら待っても彼は現れなかった。
それは私の心を壊すのには充分すぎて。
暫くの間家に引きこもる生活が続いた。
そんなある日。
兄が結婚したと知った。
気付けば私が成人して、
一年もの月日が経っていた。
思い返してみれば、
幼い頃も失恋したあの日の恋も。
自分が幸せになりたいが為の
独りよがりな恋愛だった事に気づいた。
勝手に好きになって、相手の気持ちを考えず
エリックさんを沢山誘ったり、
彼と一緒になりたいがために王族を捨てたり。
相手にとっては重かったのかも知れない。
私はもう一度、
相手を想う恋愛をしようと決意した。
続く